皆さんの会社は働き方改革に積極的に取り組んでいますか。
働き方改革が推進されるようになってから数年が経ち、その効果について検討されるようになりました。
ある調査では、全国の企業の約7割が働き方改革に積極的に取り組んでいると回答していると結果がでていました。
しかし実際に現場で働く人達は働き方改革の効果をどのように感じているでしょうか。
今回は、働き方改革の中でも特に長時間労働に対する対策の効果について検討し紹介していきたいと思います。
働き方改革で残業時間が減少したことで負担が増えた人がいる
2019年の働き方改革の推進では、下記のような取り組みが行われました。
<通常の時期>
- 原則、残業は月45時間、年間で360時間まで
- 年間最低でも5日間の有給休暇を取得すること
<忙しい特別な時期でも>
- 1ヵ月で100時間以上の残業禁止
- 年間で複数の月の残業が80時間以上を超えてはいけない
この取り組みによって確かに多くの企業では、水曜日のノー残業デーの強化や21時以降の残業禁止、有給の積極的な取得を促す取り組みはされているようにも思えます。
(企業側は上の取り組みに違反すると罰則が与えられます)
しかし実際の現場では、この働き方改革の取り組みの効果によってこれまでより負担が増えている社員が出てきてしまっています。
その原因として下記の2つが挙げられます。
- 仕事を自宅に持ち帰る社員が増えた
- 仕事に対するプレッシャーが増えた
一つずつ解説したいと思います。
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仕事を自宅に持ち帰る社員が増えた
......驚きですか?
いや、恐らく皆さんの会社の中にもこのような人は多くいらっしゃると思います。
実は、多くの企業で働き改革の取り組みが積極的に行われてきている裏では、仕事量は変わらないのに残業時間だけ削ろうする職場がかなり多くなっているという現実があります。
残業するな!家に帰れ!
でも仕事は期限内に終わらせてね。
こんなことを言われた社員が取る行動は、自宅に持ち帰って仕事をするしかないですよね。
この現状は働き方改革のマイナス効果がよく現れていると考えれらます。
仕事に対するプレッシャーが増えた
働き方改革の取り組みにおける長時間労働の対策として、仕事の生産性をあげる ということが掲げられています。
仕事の生産性って皆さんどう思いますか....?
そもそも役職者でない社員は限られた時間の中で精一杯仕事をやっていると思いませんか。
おそらく、国の政策としてもこの仕事の生産性をあげるというのは、会社全体として無駄な会議をやめるとか効率的に仕事ができるように役割分担を見直すとかそういうことを言いたいのだと思います。
しかし、実際の現場では部下に対し仕事を早く終われせるよう努力しましょうという声掛けがされている実態が多くみられます。
これでは、これまでと同じ仕事量を短時間で行うことを強制されることや、自分の能力が低いのではと悩んで仕事がプレッシャーに感じてしまう人もでてきてしまいますよね。
この各職場における誤った取り組みも働き方改革のマイナス効果だと言えます。
働き方改革で良い効果を出すには管理者の意識改革が必要
働き方改革への取り組みは法律で罰則も決められたこともありほとんどの企業が取り組むようになりました。
しかし、社員達が長時間労働をせざるえない状況は改善されておらず、仕事量や役割分担の見直しが行われないまま残業削減や休暇取得といった取り組みが行われているため、現場の社員達の中では負担に感じられているのが現状です。
そこで今後の働き方改革での取り組みで良い効果を出すためには、まずは残業に対する管理職の意識改革を行う必要があると考えます。
団塊の世代が引退し始めてから、段々と新しい考えを持つ管理職も増えてきました。
しかし、やはりまだ日本のサラリーマン社会には、残業する人=偉い人という考えが根強く残っていると感じます。
本来、管理職の仕事は部下に対し就業時間内の時間で終わる仕事を与える役割を担っており、残業する社員ばかりをもつ管理職はマネジメントができていないと評価されるべきだと考えます。
今後の社会では、表面的な残業をする人が減るのではなく、残業をする必要がなくなる仕事分担を管理職が考えて実行できる職場が増えていくことを期待したいと考えます。
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