ここ数年、MRから転職する人が増えてきていますよね。
薬の販売をするMRからの転職では、同じ医療業界の医療機器メーカーに転職を考える人も多いと思います。
しかし、MRから医療機器メーカーに転職する場合には、これまでの営業スタイルや給料に違いがあり、あまりおすすめできない点も多くあります。
そこで今回は、MRからの転職で「医療機器メーカーを選ばない方が良い理由」とMRにおすすめな転職先について紹介したいと思います。
MRが減ってきた背景
ここ数年でMRが減ってきた理由としては、下記のような理由があげられます。
- 国内市場の縮小
- 売れる薬剤領域の変化
- ネットで情報が得られる
- 訪問規制
国内市場の縮小
MRが減少している一番大きな理由として、高齢化に伴う医療費の急増を抑え込むために国が取り組んだ薬価の引き下げ、後発医薬品の開発があげられます。
この取り組みによって、利益率の高いとされてきた医薬品業界全体の売り上げが低下し、業績が悪化したことから、MRの人数が大幅に減少したと言えます。
売れる薬剤領域の変化
医薬品業界では以前まで、高血圧や、脂質異常症など生活習慣病に対する薬剤の売り上げが好調でした。
しかし、近年では後発医薬品の普及で生活習慣病薬の売り上げが低下しました。
生活習慣病には、「レニン-アンジオテンシン系作用薬」「カルシウム拮抗剤」「脂質調整剤および動脈硬化用剤」といった薬があり、メタボや糖尿病患者が増加傾向にある日本では今後も売れていくと見込まれていました。
しかし、国は2020年の9月までに「後発薬の数量使用割合を80%する」目標を掲げており、 このような薬を主力としていた医薬品会社は今後も売り上げか低下し続けることが予想されるため、MRの削減に積極的に取り組んでいます。
スポンサーリンク
ネットで情報が得られる
MRは医薬品の情報を顧客である医師に提供する仕事をメインに行います。
しかし、最近ではネットでほとんどの医薬品情報を得ることができるため、MRの需要が減ってきていると言われています。
新薬発売時や開業医に対する情報提供業務は今後も残るとされていますが、、以前のように「大量のMRはいらない」という現状があります。
訪問規制
顧客となる医師との関係構築のため、医薬品業界では以前まで接待やノベルティーの受け渡しが積極的に行われてきました。
しかし、近年では医師の多忙化や過度な接待による癒着を防止するため、接待をはじめMRの訪問に対する規制強化がされました。
この結果、必要とされるMRの絶対数が減少し、企業におけるMRの新規採用者も削減されたことでMRの数が全体的に少なくなったと考えられます。
スポンサーリンク
MRの転職で医療機器メーカーをすすめない理由
MRの転職で医療機器メーカーをおすすめしない理由として、下記の理由があげられます。
- 給料が下がる
- 仕事量が増える
- 重労働になる
給料が下がる
2019年のdodaの調査によるとMRの平均年収は658万円です。
業績が業界全体で悪化しているとはいえ、高い平均年収ですよね。
一方、医療機器メーカーの平均年収は527万円になります。
これは医療機器は医薬品に比べると、もともと利益率が高くないことが影響していると考えられます。
年収は所属する会社によって変動するものなので、あくまでも参考程度になりますが、
平均年収の差が100万円以上あるということは、MRから医療機器メーカーに転職をすると給料が下がるというデメリットはあると考えられます。
スポンサーリンク
仕事量が増える
医療機器メーカーの営業として働いた場合、「手術の立ち会い」「機器説明」「見積作成」といったMRでは担当していなかった仕事を任されるようになります。
医療機器メーカーで担当する手術の立ち合いは、術式によって数時間から1日の労働時間のほとんどを占める8時間程度の立ち合いもあります。
機器説明については、MR時代にも医師や薬剤師に対し説明をしていたと思います。
しかし、医療機器メーカーの営業では、億単位の製品を売り込むため、看護師、ME、管理課経営層など病院にいる幅広い人に対し機器の説明をし納得をしてもらう必要があります。
そして、医療機器メーカーでは価格交渉が発生するため見積もりを作成する必要があります。
このように医療機器メーカーの営業は何時間にも及ぶ立会い業務の合間に、機器説明や見積作成といった業務をしなければならず、 MRの仕事と比べると仕事量が増えるというデメリットがあるといえます。
重労働になる
医療機器メーカーで働くと、MRで働いていた頃とは比べものにならない程の重たいものを日常的に運ぶ必要がでてきます。
医療機器の重さの例をあげるとすると、例えば、医療用顕微鏡では約300キロ、超音波診断装置だと約70キロあります。
医療機器メーカーで働くとこれらの医療機器を、営業マンが車で運ぶ必要があります。
また、病院でデモを行う場合、医療機器を組み立てる必要もあります。
例えば、腹腔鏡の組み立てを行う時には、一つの部品で25キロほどあるものを一人で組み立てる必要もでてきます。
このように、MRから医療機器メーカーに転職すると、MRの時には経験しなかった重労働を任されるというデメリットがあります。
スポンサーリンク
MRにおすすめな転職先
ここまでMRの転職で医療機器メーカーをおすすめしない理由について紹介してきました。同じ医療業界でも、MRの仕事と医療機器メーカーでの仕事には大きな違いがあることが分かっていただけかと思います。
ここでは、MRにおすすめな転職先について紹介したいと思います。
MRにおすすめする転職先には下記のような転職先があります。
- 保険会社
- 社労士
- 医薬品業界
- 医薬品も医療機器も扱っているメーカー
生命保険会社
平均年収の高いMRが、これまでの生活水準を維持するためには給料の高い業界へ転職をする必要があります。
そこでおすすめなのが生命保険会社です。
生命保険会社には、「明治安田生命」や「日本生命」「東京海上日動」など大手の企業が多数あります。
そしてこれらの会社の平均年収は20代~30代でも1000万円を超えるという特徴があります。
また、保険会社は中途採用者を積極的に採用している傾向も強くあります。
医療業界での経験があることに加え、自頭が良く柔らかい口調で顧客が納得する説明ができるMRなら間違いなく採用される業界だと言えます。
スポンサーリンク
社労士
MRからの転職で「社労士」を選ぶ人が多いのはご存知ですか。
社労士は国家試験になるので資格の取得が必要になりますが年齢制限などはなく誰でも勉強をすれば取得できる資格です。
また、近年では高齢化が進み医療費の申請を担当する社労士の需要が増えている傾向があります。
医療業界で働いていたMRなら、医療申請の仕組みを理解しやすく、顧客からも信頼感があります。
社労士の資格は持っていれば自宅で仕事をすることもできるので、MRからの転職にとてもおすすめな職種になります。
医薬品業界
早期退職やリストラが増えている医薬品業で働くのは嫌だ。と考える人も多いですよね。
しかし、MRの経験を一番活かせるのはやはり医薬品業界です。
医薬品業界は国策によって厳しい状況ではありますが、
例えば、国内首位の武田薬品工業などでは海外市場への展開に力を入れることで売り上げを伸ばすことができています。
また新卒採用を止める企業は増えていますが、中途採用はある一定数行なっている企業も多くあります。
MRから転職を考える人はまずは自分の経験を最大限に活かせる医薬品業界の求人を見てみることもおすすめします。
スポンサーリンク
医薬品も医療機器も扱っているメーカー
MRの経験も活かつつ、将来性もある安定した会社で働くためには、「医薬品も医療機器も扱っているメーカー」で働くことをおすすめします。
医薬品も医療機器も扱っているメーカーには、
- 旭化成
- 富士フィルム
- ジョンソン&ジョンソン
- ニプロ
- テルモ
などの大手メーカーがあります。
このようなメーカーであれば、MRからの転職でも給料を下げずにスキルや経験を活かして働くことができるのでおすすめです。
元MRは転職市場では売れっ子
MR認定センターの情報によると、MRの人数は過去最高とされている2013年の6万5752人から2019年3月には5万9900人にまで減少しています。
また、武田薬品工業、第一三共、アステラスといった国内大手の医薬品会社をはじめ早期希望退職者を募ったり、新規採用者数を少なくする動きが業界内で活発化しています。
このような状況だと、将来性を心配し「なんとかMRから早く転職しなければ!」と焦ってしまう人も多いですよね。
しかし、MRは「自頭が良い」「面接が上手い」という特徴があり、中途採用市場ではとても人気の高い人材です。(医療業界における一次面接の通過率はMR経験者はかなり高いと言われています。)
MRからの転職を考えている人は、焦らずに今回の記事を参考に自分のMRとしての経験を活かせる職種への転職をぜひ考えてみてください!
MRからの転職におすすめなエージェント
MRからの転職におすすめなエージェントには下記のような医療業界専門の担当者がおり、実績の高いエージェントに登録をすることをおすすめします。
<引用:doda公式サイト>
大手企業の求人数が業界トップクラスであることから人気の転職エージェントです。
業界ごとに担当者が分かれており、企業の深い情報を知る担当者がスピード感もって支援をしてくれます。記事の中で紹介した「医薬品と医療機器を扱うメーカー」の求人も多数あり定期的に内定者を出しています。
大手企業に早く転職したい!という人におすすめの転職エージェントです。
公式サイト: 転職で、サイトに掲載されていない【非公開求人】を活用する方法とは?
<引用:マイナビジョブ20's公式サイト>
初めて転職活動をする人や、20代の転職者には、マイナビジョブ20’sがおすすめです。
新卒採用も行なっているマイナビは他の転職エージェントより、丁寧で優しい担当者が多い特徴があります。
医療業界専門も担当者が、応募書類の添削や面接指導も徹底的に行ってくれるので、手厚いサポートをして欲しい方には特におすすめな転職エージェントです。
公式サイト:20代・第二新卒・既卒の転職ならマイナビジョブ20's!!
パソナは地方を含めた全国における大手求人が豊富で、初回から紹介してくれる求人数が多いことでも人気な転職エージェントです。
また、年収交渉を得意とする担当者が多く、転職希望者からの満足度が高いエージェントです。
MRの転職支援の実績も高く、転職で年収アップを目指す人に特におすすめな転職エージェントです。
公式サイト:キャリアアドバイザーの親身で丁寧なサポート【パソナキャリア】
転職エージェントは、担当者によって紹介の質に差がでてくるので、2~3社の登録をすることをおすすめしています。
MRからの転職を考えている人はぜひ公式サイトを確認し、自分にあった転職エージェントに登録してみてください。
スポンサーリンク