会社で長く働いていると、「労働組合の役員にならないか?」と提案を受けることもありますよね。
労働組合の役員は、若手の給料や労働条件に関わる重要な役割です。
しかし、一度なってしまうと途中で辞めることはなかなかできないため、役員になるかはメリットとデメリットについて良く考えて決める必要があります。
そこで、今回は労働組合の役員になるメリットとデメリットについて紹介したいと思います。
労働組合の役員になるメリット
まずは、労働組合の役員になるメリットです。
役員になるメリットには、下記のようなメリットがあります。
- 会社のことが良くわかる
- 若手のために働ける
- 社内に知り合いが増える
- 希望する部署に行ける
- 出世しやすくなる
- 給料がもらえる
- 任期中は異動がない
会社のことが良くわかる
労働組合の役員になると、これまで知り得なかった、人事の評価制度の詳細や経営層の考えについて知ることになります。
会社は、労働組合の役員と1年に数回面談をし、そこで労働協約という労使間の約束事を交わす必要があります。
そのため、経営層は労働組合の役員に対し、組合員の賃金や労働環境について「どう決めているのか」プレゼンテーションをし契約のために納得してもらう必要があります。
また、通常のボーナスや昇給の時だけでなく、残業代の支払い方法や休暇数の変更といった社内規定を変える場合にも、必ず労働組合の役員に対し説明をし、契約を結ぶ必要があります。
これらの事情から、労働組合の役員になると、会社側の「賃金の決め方」や「経営方針」について詳しくそしていち早く情報を得ることができるため、会社のことが良くわかるというメリットがあります。
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若手のために働ける
労働組合の役員になると、「若手のために働ける」というメリットがあります。
労働組合の役員の仕事は、会社との契約だけでなく、組合員の悩みを解決することがあります。
組合員の全体の悩みでよくあがるのは、「サービス残業」や「賃金の改善」といった悩みです。
これらの悩みを解決するために労働組合の役員は経営者との面談時に交渉をします。
また、組合員一人一人が抱える「セクハラやパワハラ」、「異動や昇進ペース」といった悩み相談の窓口ともなり、必要があれば組合員が働く職場まで出張をし、悩みに寄り添う活動を行います。
組合員の中でも、少し年齢の高い先輩として、若手のために働く役員はかっこ良く人望も厚くなりますよね。
また、自分が管理職に昇進した時にも、若手が抱えやすい悩みを理解した上でマネジメントができるようになります。
若手のために働けることも労働組合の役員になるメリットといえます。
社内に知り合いが増える
本社以外で働く場合、社内で同世代の知り合いを作るのが難しいこともありますよね。
しかし、労働組合の役員をやると、社内の多くな人と顔見知りになることができます。
出張した場合に、同世代同士で飲みに行くこともできますし、仕事上で困った時には助けてもらうこともできます。
また、経営層にも顔を覚えてもらえるので、社内でのパイプが太くなり仕事にも良い影響を与えるメリットがあります。
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希望する部署に行ける
労働組合の役員をすると、「社内の事情に詳しくなること」、「社内に知り合いが増えること」で希望する部署への異動が楽になる傾向があります。
また会社側も、社内の事情を良く知っており、組合員からの人望も厚い労働組合の役員の異動には気を使う部分があり…
結果的に労働組合の役員をしていると、自分が希望する部署に行ける可能性が高くなります。
出世しやすくなる
異動と同じく、労働組合の役員をすると出世もしやすくなるメリットがあります。
そもそも、「労働組合の役員になる人」というのは、社内での人気者であるため、出世しやすい人物であるのですが、、、
労働組合の役員をすることで、
- 経営層に顔を知られていることで、昇進のタイミングで推薦をもらいやすいこと
- 経営層の考えを良く理解しているために昇進試験も受かりやすいこと
- 経営層のいる部署に引き抜きに合うこと
というメリットを受けやすくなり、出世が早くなる傾向があります。
給料がもらえる
これは会社ごとに異なりますが、、
労働組合の役員をすると、追加の給料をもらえる会社もあります。
(一般社員より多くの仕事をするので当たり前と言えば、当たり前ですが…)
給料は大体年間で数万円〜15万円程度(1ヶ月1万円ぐらいの会社が多い傾向のため)が多いですが、
組合員が多い会社や、労働組合の役員を専任の仕事として勤務時間にも仕事をさせる組合の場合には、かなり多くの給料をもらえる会社もあります。
任期中は異動がない
労働組合の役員の任期は、原則1年となっています。
しかし再選もあり、2〜3年やる人が多い傾向があります。委員長になると4〜5年やる人もでてきます。
労働組合の役員は、自分の勤務地の近くの地域の組合員の意見を取りまとめる仕事をするので、原則任期中に異動はありません。
そのため、子供がいる人や家を買っている人にとっては一時的に転勤がなくなるため、労働組合の役員になることがメリットになる人もいます。
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労働組合の役員をやるデメリット
労働組合の役員をやるデメリットには下記のようなデメリットがあります。
- 会社と戦う必要がある
- 職場の嫌な面が見える
- 仕事量が増える
会社と戦う必要
労働組合の役員になると、組合員のために会社と戦う必要がでてきます。
安定している会社、経営がうまくいっている会社の場合には、激しい戦いはあまりないのですが…
組合員の給料を下げる時や、ボーナスカットの提案があった時には、労働組合の役員が組合員の代表として会社に抗議をする必要があります。
労働組合が持つストライキ(仕事を放棄して団体で仕事を休むこと)を発動させるまでの戦いは、なかなか生じませんが、自分が表立って経営層に文句を言うのはちょっと気が引けることもありますよね。
会社と戦わざるえないのは、労働組合の役員をやるデメリットだと考えられます。
職場の嫌な面が見える
これまで会社で平和に過ごしてきた人でも、労働組合の役員をやると、組合員からパワハラやセクハラの相談をうけ職場の嫌な面を見ることになります。
これから自分の上司になるかも知れない人が
パワハラ気質があるとか、
残業をつけさせてくれないとか…
実績を出しても評価を下げてくるとか…
不倫をしてるとか…
本来知らない方が楽だった事実を知ると、なんだか職場に対して嫌な気持ちにもなりますよね。
職場の嫌な面が見えてくることも労働組合の役員をするデメリットだといえます。
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仕事量が増える
労働組合の役員をすると、どうしても組合の仕事分の仕事量が増えてきます。
特に「ボーナスの原資が決まる時期」や、「人が異動する時期」、「昇格の時期には経営層」との面談のための資料作成があり、結構なボリュームの仕事量となります。
また、労働組合の仕事は労働時間外にやってくださいという会社が多いため、自宅に帰る時間が遅くなることや土日に対応することもでてくるデメリットがあります。
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労働組合はなぜあるのか豆知識
ここまで、労働組合の役員をするメリット•デメリットについて説明をしました。
簡単に労働組合がある理由について説明をすると、、、
労働組合は、憲法28条の団体行使権を根拠とし、「労働組合法」や「労働三権」といった法律で労働組合の組織化や、会社側と交渉権、ストライキの発動などが保障されています。
組合員の代表として、「執行役員」。
その上に三役として、「委員長」、「副委員長」「書記長」がいる構造が普通となっています。
労働組合の役員になるには、立候補や指名性での投票が一般的な決め方となっていますが、会社ごとに投票方法は異なります。
ユニオン(合同労組)とは
会社ごとにある労働組合がない場合に、同業種や関連する業種の労働者が組織する団体としてにユニオンというものもあります。
これは、パート社員や派遣社員といった非正規社員でも加入ができる団体になります。
労働組合と同じようにサービス残業やパワハラが生じた場合に社外から会社に対し、改善の交渉をしてもらうことができる団体となります。
労働組合の強さで若手の働きやすさは変わる
今回は、労働組合の役員になるメリット•デメリットについて紹介しました。
ボーナスや社内規則が変わるタイミングで「労働組合の役員の存在意義」を考えることはありますよね。
労働組合の役員の交渉力が強いか弱いかで、組合員の職場環境は大きく変わります。
そのため、労働組合の役員をやることは、仕事では感じれないやりがいや人との関わりを持てる貴重な体験だとも言えます。
しかし、自分が労働組合の役員をやるとなると仕事とのバランスや将来的なデメリットなどが気になる人も多いかと思います。
労働組合の役員になろうか迷っている人は、今回紹介した、労働組合の役員になるメリットとデメリット両方について考え選択してみてください。
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